京都は、日本の古都として1,200年以上の歴史と文化を有し、伝統的な技術や技法を守りながら革新を繰り返して、多種多様な産業を育んできました。
織物に関しては、宮廷貴族や寺社、伝統芸能の衣装としての高い要求に応じる形で、金・銀糸や高級シルクをふんだんに使用した豪華絢爛な織物(「西陣織」)が生産され、また、雨や雪の日が多く湿潤な京都丹後地方の気候を活かして、独特の風合いをもつ絹織物(「丹後織物」)が生産され、さらには、京都は三方を山に囲まれ、良質で豊富な地下水に恵まれたことなどを背景に、絵画のような表現力をもつ染色技術(「京友禅」)が発展してきました。
これらの染織技術は、能や日本舞踊などの伝統芸能、茶道や華道、祇園祭などの伝統的行事など、日本を代表する文化を支えています。